Nature Preservation
自然保護 Guardians of the Ridge
この自然を、次の世代へ
自然は人類から借り受けているものではない。
子孫から預かっているものだ。
クォーツホロウリッジは1998年の設立以来、東京の山岳生態系を守るための包括的な保護活動に取り組んでいます。石英の尾根が持つ生物多様性と地質学的価値を未来へつなぐことが、私たちの最も根本的な使命です。山に息づく微細な生態系のつながりを理解し、訪れるすべての方々とともに、この豊かな自然を次世代へ引き継ぐための活動を続けています。科学的調査、市民参加、教育活動、そして政策提言を組み合わせた総合的なアプローチで、持続可能な山岳環境の実現を目指しています。
保全活動の4つの柱
クォーツホロウリッジの自然保護活動は、生態系・水・植物・動物という4つの核心的な柱によって支えられています。各分野の専門スタッフが年間を通じて調査・管理を行っています。
生態系保護
450ヘクタールの保護区を設定し、在来生態系の監視・維持活動を年間を通じて実施しています。外来種の除去、植生調査を専門スタッフが担当し、生態系の健全性を継続的に評価・記録しています。定期的なデータ分析を通じて、長期的な生態系の変化を把握し、適切な保護措置を講じています。生物多様性インデックスの年次モニタリングにより、保護区全体の健全性を科学的に管理します。
水資源管理
尾根から流れ出る湧水・渓流の水質検査を月次実施しています。水生生物の生息調査と水量モニタリングで、下流域の水環境保全にも貢献しています。pH値、溶存酸素量、濁度、電気伝導度など複数の指標を継続測定し、水源の健全性を科学的に管理しています。季節変動データを蓄積することで、気候変動の影響を早期に察知する体制を整えています。
在来植物保全
固有・希少植物127種の保護区域を設定しています。毎年春に域外保全(種子バンク)を実施し、絶滅危惧種の植物増殖も行っています。ガラス温室での育苗から野外への移植まで、植物の一生を通じた丁寧な保護管理が私たちの誇りです。各種の発芽率・定着率を記録し、より効果的な保護手法を継続的に改善しています。
野生動物保護区
哺乳類43種、鳥類87種が生息する動物保護区を設定しています。餌付け禁止、夜間照明規制、静音区域を設けて動物へのストレスを最小化しています。センサーカメラと音響モニタリングにより、動物の行動パターンを科学的に調査・記録し、保護施策に反映しています。渡り鳥の季節追跡調査も毎年実施しています。
By the Numbers — 保護活動の成果
年次活動報告 — 2026年度実績
2026年度の主要保全活動の目標値と実績値を比較します。グラフはページスクロール時に自動でアニメーション表示されます。
2026年度 年間来訪者数
年間目標 50,000人の 97% を達成
人
痕跡を残さない7つの原則
すべての来訪者の皆様に、この掛け替えのない自然を次世代に受け継ぐために、7つの原則を守っていただくようお願いしています。
事前に計画・準備する
訪問先のルール・規制を事前に確認し、天候・地形を把握した上でルートを計画してください。小グループでの行動を推奨します。地図とコンパスを携帯し、非常食・応急処置キットを準備してください。
耐久性のある地面を歩く
指定されたトレイルや岩盤・砂利の上を歩きましょう。脆弱な植生や湿地帯への立ち入りは避けてください。登山道が泥濘んでいる場合も、脇の草地に踏み出さないようにしてください。
ごみを適切に処理する
持ち込んだものはすべて持ち帰ってください。食べ残し・ゴミはもちろん、果物の皮や自然素材も含まれます。専用のゴミ袋を携帯し、他者のゴミも拾えれば理想的です。
自然物をそのままにする
花・岩・昆虫などの自然物は採取しないでください。文化的・歴史的な遺物にも触れず、そのままにしてください。自然の恵みは目で楽しみ、写真に収めるだけにとどめましょう。
たき火の影響を最小にする
指定された場所以外でのたき火は禁止しています。携帯コンロを活用し、火の使用は必要最低限にとどめてください。火気を使用した際は必ず完全に消火し、余燼がないことを確認してください。
野生動物を尊重する
動物に近づいたり餌を与えたりしないでください。望遠鏡や望遠レンズで遠くから観察し、繁殖期・子育て期の巣や営巣地には特に注意してください。夜明け・夕暮れ時は動物の活動が活発になります。
他の来訪者への配慮を忘れずに
大きな声や音楽を控え、静かな自然体験を皆が享受できるようにしてください。すれ違い時は笑顔で挨拶を。ペットを連れている場合はリードを必ず着用させてください。
ボランティアプログラム
自然保護の現場で一緒に働きませんか?あなたの力が、山の生態系を守る大きな力になります。ご希望の活動内容を選択してお申し込みください。担当者から折り返しご連絡いたします。初心者の方も大歓迎です。
研究パートナーシップ
国内トップクラスの研究機関と連携し、科学的根拠に基づいた自然保護活動を推進しています。各機関との共同研究が保全活動の質を高めています。
東京大学
大学院農学生命科学研究科
森林生態学研究室と連携し、石英尾根地帯の植生動態と土壌微生物群集の長期モニタリングを実施。年次データの共同解析を通じて、気候変動が山岳生態系に与える影響を定量的に評価しています。2019年より継続中の共同研究は、国際学術誌に複数の論文として掲載されています。
植生・土壌生態学筑波大学
生命環境科学研究科
両生類・爬虫類の生息域調査を共同実施。特にカスミサンショウウオの個体群動態に関する研究では、クォーツホロウリッジを日本有数のフィールドステーションとして活用いただいています。学生の実習受け入れを年間通じて実施し、次世代の研究者育成にも貢献しています。
動物生態学・保全生物学国立環境研究所
生物多様性領域
外来種・侵略的植物のモニタリングと除去効果の評価を共同実施。センサーカメラネットワークを活用した哺乳類の広域分布調査でも協力関係にあります。研究成果は国の環境政策立案にも活用されており、日本の山岳生態系保護の模範事例として国際的にも注目されています。
外来種管理・政策連携高尾山薬王院
伝統植物知識アーカイブ
高尾山一帯の伝統的植物利用知識(民間薬草・祭礼植物)のアーカイブ化プロジェクトを連携推進。生物多様性条約における伝統的知識保護の観点から、地域の薬草文化と現代保全科学の橋渡しを担っています。1,300年の歴史を持つ寺院との協力は、精神的・文化的価値の保護にも貢献しています。
民族植物学・伝統知識あなたにできること
自然保護はプロだけの仕事ではありません。来訪者の皆さん一人ひとりの行動が山の未来を変えます。今日からできることを始めましょう。
植樹イベントに参加する
毎年春と秋に開催する植樹祭に参加してください。在来樹木の苗を実際に植え、山の再生を体験できます。参加費無料・初心者歓迎。
ごみゼロハイクに参加する
ハイキング中に目についたごみを小袋に集めて持ち帰るだけ。小さな行動が積み重なって山を変えます。専用ゴミ袋はビジターセンターで配布中。
市民科学者として参加する
スマートフォンアプリで観察した植物・動物の記録を送信してください。あなたのデータが研究の一部になり、保護政策立案に活用されます。
SNSで山の魅力を発信する
#クォーツホロウリッジ #自然保護 のタグで山の美しさを発信してください。多くの人の関心が保護活動の大きな力になります。
年間パスを購入する
年間パスの収益の20%は保全活動基金に充当されます。繰り返し訪れながら保護活動を継続的に支援できる最も手軽な方法です。
認証・認定取得状況
クォーツホロウリッジの自然保護活動は、国内外の複数機関から正式な認証を受けています。これらの認証は、私たちの活動の質・透明性・持続可能性を第三者が保証するものです。
環境省エコパーク認定
2008年取得。ユネスコMABプログラムに基づく生物圏保全区域として、持続可能な利用と保全の両立を評価されています。5年ごとの定期審査を継続通過し、2023年に最新の更新認定を受けました。
ISO 14001 認証
環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14001を2012年より継続取得。環境影響の低減に向けた体系的な管理と継続的改善を、第三者認証機関が毎年審査・確認しています。
東京都みどりの保全地域
東京都から「みどりの保全地域」として指定を受け、都市近郊の緑地保全の先進事例として高く評価されています。都の補助金を活用した植生調査・トレイル整備を継続的に実施しています。